プラセンタが不妊に効果的って本当?
医療機関では、ヒトプラセンタによる治療が用意されています。
プラセンタというと、なんとなくアンチエイジング対策をイメージするのではないかと思いますが、プラセンタは古くから肝機能障害の改善や、アトピー性皮膚炎の改善に用いられてきた成分です。
また、プラセンタは妊娠しやすい身体づくりにも役立つ成分であると考えられ、不妊治療の一端としてプラセンタ治療が行われることもあります。
では、プラセンタは不妊治療においてどのような役割を担っているのでしょうか?
プラセンタには成長因子やアミノ酸をはじめとするさまざまな栄養素が含まれ、肝機能強化効果や解毒効果、抗炎症効果、活性酸素除去効果、血行促進・造血効果、免疫力向上効果、自律神経調整効果などを期待することができます。
さらに、精子や卵子の老化予防作用もありますので、不妊治療に適した成分であると考えることができます。
では、プラセンタ治療はどのようにして行われるのでしょうか?
その方法は2種類に分類され、ひとつ目にはプラセンタ注射、ふたつ目にはヒトプラセンタ内服薬による治療です。
ただし、プラセンタ注射を受ける際には、治療後に献血できなくなるというリスクが伴います。ヒトプラセンタはヒト由来成分であるため、感染症のリスクがないわけではありません。
現在までに、ヒトプラセンタ注射による感染症は起こっていませんが、リスクがゼロではない以上、献血制限を受けるのは仕方がないことなのでしょう。
また、同じヒトプラセンタであっても、プラセンタ内服薬を服用した場合では、献血制限を受けることはありません。
そしてもうひとつ、気になるのは、女性とともに男性もプラセンタ治療を受けるべきなのかどうか、という点なのではないしょうか。
この部分については、自然にご夫婦で不妊検査を受けておく必要があり、男性の精子に何らかの異常が生じていることが認められた場合では、プラセンタ治療を検討してみても良いでしょう。
副作用はないの?男性の女性化は?
プラセンタ治療を行うに当たっては、まず、治療後に献血できなくなるという部分を念頭に置いておく必要がありますが、このほかにも、副作用の有無についての知識を頭に入れておく必要があります。
ヒトプラセンタは、プラセンタの中では最も人体への安全性が高いといわれてはいますが、それでも、副作用の心配がないわけではありません。
ヒトプラセンタは、体質によっては悪寒や発熱、発疹などのアレルギー症状が現れる可能性がある成分です。
このようなアレルギーは、ヒトプラセンタを使用すれば必ず現れるということではありませんが、体質によってはこのような症状が現れる可能性があるということも、知っておくべきでしょう。
このような副作用と思われる症状は、プラセンタ注射で起こることがありますが、一過性のものであるため、注射後数時間で消滅するといわれています。
また、男性がプラセンタを使用する際には、もうひとつ気になる副作用があるのではないでしょうか。
それは、プラセンタを体内に取り込むことによりホルモンが影響を受けて、女性化などが起こるのではないか?という心配です。
結論からお話ししますと、男性がプラセンタを使用した場合に、女性化などの副作用が起こる心配はありません。
それは、プラセンタ自体が、ホルモンに影響を及ぼす成分ではないからです。
これであれば、男性も安心してプラセンタによる不妊治療を受けることができますね。
プラセンタの不妊治療は保険適用になるの?
日背用を目的としたプラセンタ治療の場合では、すべて自由診療扱いで自費となります。
その一方で、肝機能障害や更年期障害改善を目的としたプラセンタ治療の場合では、保険適用の対象となることがあります。
では、不妊治療にプラセンタが用いられた場合では、保険適用の対象となるのでしょうか?
残念ながら、不妊治療の場合では保険適用の対象とはなりません。
というのは、不妊は健康に悪影響を及ぼす疾病とは異なるためです。
プラセンタ注射は1アンプル1,000円~3,000円、プラセンタ内服薬は1カ月分で19,000円前後と、やや高額な費用を必要とします。
そして、これらが自費となると、経済的な負担は大きくなりますが、プラセンタ以外の不妊治療の場合では、さらに高額な治療費を必要とします。
プラセンタを用いた治療は、受ければ確実に不妊を解消できるという保証はありません。
ですが、他の不妊治療よりも安価に治療を受けることができますし、身体の中から、自然に妊娠しやすい身体づくりを目指すことができます。
迷っているのであれば、まずはプラセンタの取り扱いがある医療機関に相談してみて、じっくりとプラセンタ治療を検討してみると良いでしょう。